第6回 「東京発 日本ファッション・ウィーク」(JFW)
~2008-09秋冬東京コレクション~
東コレ3日目です。
■everlasting sprout
(エヴァーラスティング スプラウト)
デザイナー:
村松 啓市 / 関 紀子
「ガーゴイル」
欧州建築の屋根に鎮座する、不気味な怪物をかたどったグロテスクな彫刻、それが「ガーゴイル」。怖さの中にぬくもりや優しさも潜む、この「ガーゴイル」からインスパイアされたそうです。ブランドが最も得意とするニットで「ガーゴイル」の多面性を表現。見事なニットコレクションを見せてくれました。
色をたくさん使ったクロッシェ編みのケープ。モヘアのニットパンツは片側だけ長くアシメトリー。タイツの上にハイソックスを重ね、上から下までレイヤード。モコモコのニットブーツはまるで怪物の足のよう。ブーティの上にかぶせた、フワフワのモヘアニットでできたカバーはキュート!
■FUMIO
(フミオ)
デザイナー:秋山二実男
「ELEGANCE MODERNE」
ワンピースは日本でも「普段着」として定着しつつあります。デイリーに着られるリアルクローズとして受け入れられ始めたワンピースを、デザイナーはコレクションの柱に据えました。ベースがシンプルなワンピースに、何かしらの仕掛けや企みを加えることによって、モダンに表現。背中の肩甲骨あたりから細かいギャザーを入れて、袖にボリュームを出したり、襟や袖にタックやギャザーを入れて立体感を出していました。
■corazon del alma
(コラゾン デル アルマ)
デザイナー:小井庸嗣
スペイン語で「魂のココロ」というブランドネーム。造形的で大胆な柄を配したワンピース、ジャングルからインスパイアされたプリントがダイナミック。ワンピースの上にレザーのジャケットやコートを羽織り、華やかでフェミニンな仕上がり。
■翡翠 HISUI
(ヒスイ)
デザイナー:伊藤弘子
「ユートピア」
どこにも属さない「理想の国」を感じさせるコーディネートが楽しい。ブランドが得意とする、ロング&リーンのレイヤードスタイル。たくさん重ね着をしているのに、スラリと縦長に見えるマジック技はHISUIならでは。指先まで隠れる長め袖もその効果を発揮しています。楽園をイメージさせる雲のような柄。ニットがパッチワークになったスカートや、レインボーカラーのようなニットワンピなどは、エスニックな雰囲気も。自然界を思わせるグリーンやオレンジ、ラズベリー色のミックスがハッピームード。
■Raphus cucu
(ラフスクク)
デザイナー:ERIKO ISOYA
「白い記憶」
絶滅してしまった鳥、ドードーの学名がブランドネーム。
今回のコレクションを支配した色は白や黒、グレー、ブルー。白のコレクションでは、雪がどんどん積もっていくようなイメージが膨らんだ。繊細なアルパカニットや、バルキー編みのチュニックワンピなど、着心地よさそうなアイテムが並ぶ。中でもまるでクッションのようにフードや袖口がボンディングになった立体感のあるアイテムは、女性の身体まで守ってくれそう。
■YLANG YLANG
(イランイラン)
デザイナー:青柳龍之亮
「MICROCOSMOS」
さらにクラシカルでエレガント。そして新しいボリュームで見せるフェミニンさ。いつも女性のハートをくすぐるデザイナーの作品には溜息が出るばかり。女性の中にある「小宇宙」をイメージ。チュールがたくさん重ねられ、何段にもなったドレス。風船みたいに膨らんだ丸いドレス。ふわっとしたケープ、バルーンパンツ。どれもボリューム&丸みがタップリ。胴体に骨組みが入っているような立体感も面白い。ボリュームで見せる新エレガンスに釘付け。12星座をイメージしているそうで、星座のマークをモノグラムプリントやアクセサリーで表現している。
■AGURI SAGIMORI
(アグリサギモリ)
デザイナー:鷺森アグリ
テーラードとカットワークで魅せた職人技が冴えた新ブランドは早くも実力を感じさせる出来ばえ。深い森で月光浴をしたときに身体に写る柄をコレクションに落とし込みました。鳥や葉っぱなどをモチーフに、レザーをカットワーク。その技法をデニムに生かしました。デニムがモード&ラグジュアリーに変身。
テーラードジャケットは背中が開いていたり、2枚重なっているように見えたり。「テーラードの進化」は、今までのカッチリしたジャケットの常識を覆します。
■suzuki takayuki
デザイナー:スズキタカユキ
「Farewell」
シルエットとカッティングの美しさが圧巻!「ニューシルエット」とでも呼びたくなる、風船や提灯のように丸く膨らんだフォルムのドレスやスカートがたくさん登場しました。さらにケープやレイヤードのトップスで合わせ、重層性とフリュイド感をミックス。丸みを帯びたボリュームが女性らしい身体空間を再構築してくれて、目新しいフェミニンさが誕生していました。18世紀のクラシカルなドレスやジャガード刺繍風の素材も見られました。レザー物が多く登場し、ハード&ナチュラルをミックス。燕尾服風のロングコートや、後ろが長めのスカートなども意外感ある表情が楽しい。
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